NFT works 編集部
NFT works 編集部

英国の老舗オークションハウスPHILLIPS(フィリップス)が同オークションハウスでは初のNFT作品の取り扱いを行った。今回取り扱われた作品の落札金額は340万ドル(約3.7億円)となっており、手数料も含めると約414万ドル(約4.5億円)にのぼる。

落札されたNFT作品は、「Mad Dog Jones」という名前でも知られるデジタルアーティストMichah Dowbak氏によって作成された「REPLICATOR(自己複製装置 )」という作品だ。

この作品は、一見、ロサンゼルスのダウンタウンのオフィススペースにあるコピー機のデジタル画像という変哲のないものとなっているが、約1年間かけて今回販売された第1世代から7世代に渡って新たなNFTを生成し続けるというユニークな特性を持っている。さらに、新たなバージョンのNFTが生成されるたびに元の作品と少しずつ異なった仕上がりとなるようにも設計されているとのこと。

複製タイミングや所有に関するルール、複製される世代数等はNFTのスマートコントラクトの中に組み込まれているとのこと。

また、複製される際に、実際のコピー機と同様に"詰まる(複製されない)"こともあるように設計されており、その確率は第2世代から第6世代で50~80%の確率で設計されている。

これらの設計から、新たな買い手や売り手には様々なオプションが生まれることになる。

これまで行われた100万回のシミュレーションの結果、複製されるNFTは最終的に75~300になると予想されている。

このNFT作品が転売された場合、どの世代の作品であれ新しい所有者はその世代から後続となる全ての世代の複製されたNFTを所有できるとのこと。さらに、転売された場合は、どの世代のものであれその販売価格の10%がDowbak氏に支払われるようになっている。

Michah Dowbak氏は、PHILLIPSの販売ページで今回の作品について「REPLICATORは、時間の経過に伴う機械の物語です。これは、過去の革新的なイノベーションの形を反映しており、さらに現代のテクノロジーの連続性のメタファーでもある。この作品が進化し、所有しているNFTが新たな世代を生み出し続ける時にコレクターがどのような反応をするか私は興味がある。」と述べている。

また、今回の落札により、Michah Dowbak氏は現存するカナダ人アーティストで最高落札額を保持することとなった。

参考:PHILLIPS公式サイト

画像:
shutterstock