NFT works 編集部
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メジャーリーグの野球カードを制作している米国のトップス(Topps)が、メジャーリーグ野球カードのNFT発行を計画していると、4月12日に発表した。MLB(メジャーリーグベースボール)とメジャーリーグベースボール選手会(MLBPA)との提携を通じて、主力の野球カードをノンファンジブル・トークン(NFT)で展開するとのことだ。

本プロジェクトは、4月20日より始動する予定で、ゲームアイテムなどのトレードに特化したWaxというブロックチェーンを用いて、NFTを発行予定とのこと。

トップスは2007年に、元ウォルト・ディズニーCEOのマイケル・アイズナー氏によって3億8500万ドルで買収され、現在は特別買収目的会社(SPAC)のマドリック・キャピタル(Mudrick Capital)と経営統合した後に株式上場を行う計画を進めており、その企業価値は13億ドルにおよぶと言われている。

スポーツ業界とNFT

スポーツ業界においてさきがけとなったのが、2020年10月にNBAとDapper Labs社が組んでローンチしたNBA Top Shotだ。

同サービスでは、ユーザーは「Moment」と呼ばれる10~20秒程度の選手のハイライト動画が複数納められたパッケージを購入する。パッケージには「Common」「Rare」「Legendary」といった種類があり、それに応じて収納されている動画の希少性や販売金額が異なる。また、ユーザーは購入したパッケージのNFTをマーケットプレイスで売買できる。

2021年3月末までに累計5億ドルの取引が行われ、急速に成長している。2月22日には、レブロンジェームズ選手のハイライト動画が20万8,000ドル(約2,200万円)で落札され、話題を呼んだ。

同サービスを手がけるDapper Labs社は、3月30日に3億570万ドル(約336億円)の資金調達を実施したことを発表した。本ラウンドの調達には、バスケットボール界の神様と称されるマイケル・ジョーダン氏も参画し、注目を集めている。

他にもスポーツ界においては、昨年6月にサッカーのFCバルセロナがファントークンを販売し、わずか2時間たらずで130万ドルを売り上げたことや、2021年3月にアメリカンフットボールリーグのNFLもNFT発行を検討していると報道されたことなど、話題に事欠かない。

NFLは、NFT(≒デジタルコレクタブル)戦略はリーグ全体としてのブロックチェーン戦略の一貫で、観戦チケットにおけるNFTの活用も図ると発表している。NFLリーグ全体の2020年の収益は120億ドル(約1.3兆円)なので、期待が高まる。

さらに、NFLにおいては選手個人のNFT発行も積極的に行われている。具体的には、2021年のスーパーボウルで18年ぶりのチャンピオンに輝いたタンパベイ・バッカニアーズのタイトエンド(TE)Rob Gronkowski選手が自身のNFTの初期セールを実施し、総額2億円のNFTが完売したり、2020年7月にチーフスと総額4億5,000万ドル(約490億円)、最大で5億300万ドルの10年契約を結んだスター選手であるPatrick Mahomes選手もNFTマーケットプレイスの「MakersPlace」を通じて自身のNFTオークションを実施した。

このように、スポーツ業界ではNFTが積極的に活用されており、今後の展開に期待が高まる。


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