NFT works 編集部
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米ウォール街にある世界最大の証券取引所であるニューヨーク証券取引所(NYSE)がNFT(非代替性トークン)を発行した。NYSEとしても、伝統的な金融機関としても初の試みだ。

発行したのは、上場した人気テクノロジー企業6社(ユニティ(Unity)、クーパン(Coupang)、スノーフレーク(Snowflake)、スポティファイ(Spotify)、ロブロックス(Roblox)、ドアダッシュ(DoorDash))の株式の初取引を記念するものだ。

NFT発行が行われた企業の選定基準は定かではないが、スポティファイ(Spotify)がNYSEに直接上場( DPO)した企業であることや、クーパン(Coupang)は現時点で2021年の最大規模のIPOであったことを踏まえると、特徴的な企業が選定されたと推察される。

今回作成されたNFTは、NYSEのTwitterやホームページで確認することができる。

NYSEの取引の裏側では、注文などに関する大量のメッセージがデジタル台帳に記録されている。今回NFT化されたものはそのようなメッセージの中で、一番最初にやりとりされる取引メッセージである”First Trade”と呼ばれるものだ。この”First Trade”が行われた瞬間こそが企業が上場したことを示す瞬間である。

NYSEのステイシー・カニンガム社長は、「First TradeをNFT化することは、企業がNYSEに上場したことを記録するにあたり、斬新で面白い試みであり、NFTの特性と合っているように思える」と自身のLinkedInで述べている。

また、今回のNFTはCrypto.comという香港のスタートアップのネイティブブロックチェーン上で発行された。Crypto.comは2016年創業のスタートアップで、仮想通貨取引所やNFTマーケットプレイスの運営、仮想通貨をステーキングすることで支払いごとにキャッシュバックがもらえるクレジットカードの発行等を行っている。

Crypto.comは、2017年にはICO(Initial Coin Offering)にて、2,670万ドルの資金調達を行っている。

さらに、Crypto.com社は先月、Instagramで5,700万人以上のフォロワーを抱えるアーティストのスヌープ・ドッグや、現代アート作家のミスター・ブレインウォッシュ、ボーイ・ジョージなどとのコラボレーションを発表し、大きな注目を集めた。

発行したNFTを販売するかどうかについては、NYSEは現状言及しておらず、上場した6社に贈られるとのこと。また、NYSEは今後も多くのNFT発行を計画している模様だ。


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shutterstock